取り残された乙女たち
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発行者:日向章
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ジャンル:その他

公開開始日:2010/06/25
最終更新日:---

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取り残された乙女たち 第5章 瞳&多佳子
(1)  孝司に続いて憲次も少女たちを従えたのを見て、敏明は連れてきた二人の少女を眺めた。  あどけないこの娘たちを、食事を与えることと引き換えに自分の自由にできるという征服感で、背中がぞくぞくする。  彼は体育館の隅にあった机を二つ並べると、そのうえに少女たちを座らせた。  折りたたみ式の長テーブルではなく、教室においてあるような机なので不安定ではないが、乗れるスペースは狭い。  少女たちは足の置き場に戸惑いながら、床から4、50センチの高さにぺたりと座った。  これから何が始まるのか不安な顔をしている。  敏明は自分も机をひとつ横に置き、椅子に掛けた。  ちょうど目線の高さに、机の上に横座りした彼女たちの顔がある。  彼は横に置いた机に食事を用意すると、目の前のふたりの少女に笑いかけた。 「お待たせ。これから飯を食わせてやるよ」 「ありがとうございます」「はい、お願いします」  さきほど、あの気の強い部長が雌犬のように哀願する様を目の当たりにした二人は、自然と自分たちも従順になっていた。  敏明はそれに満足すると、自分の向かって右側にいる瞳の口に、スプーンですくったご飯を持って行った。  瞳が口を開いて食べようとすると、さっとスプーンを引っ込める。 「おっと、まずその前に、立場をはっきりさせとかなきゃな。俺が訊くことに、正直に答えるんだ。いいか?」 「はい……」 「それじゃまず、名前から訊こうか」 「瞳です」  よし、と敏明は彼女に最初の一口を食べさせた。次に左側の少女に向く。 「おまえは?」 「多佳子……」  同じように一口与えられる。  こうやって飼いならされるのだろうか、と多佳子は思った。まるでペットのようだ。  再び敏明は瞳に向いた。 「スリーサイズは?」 「え? あの…」 「言わなきゃ食べさせないぞ」 「だって……」  さっと敏明はスプーンを多佳子に持っていった。「残念」  瞳は叫んだ。「いや、ください、言いますから!」  しかし敏明は無情にもそれを無視し、多佳子に同じ質問をする。  多佳子は隣の友人を気にしながらも、従順に答えた。 「83、64、88です……」  よおし、とこれみよがしに、彼は素直に答えた唇にスプーンを運ぶ。  瞳は狂ったように叫んだ。 「いや、私にも!」
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