イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
1 王家の庭 俺も、友達のキサも、今年十五になる。 旅立ちの夏だから、なんだか二人とも落ち着かない。 旅を済ませた先輩達は、何事もなかったように平和に暮らしているから、べつに、大したことじゃないさと言う気持ちもあるけれど。 そう思おうとしても、いつしか、心臓がゴトゴト音を立てている。 そんな日がここ何日か続いて、俺は少し疲れていた。 もうすぐ友達のキサが、交代に現れるはず。 そうしたら、儀姉さんの暖かいスープを飲んで、さっさと寝て仕舞おう。 柄にもなく俺はそんな、弱気な事を考えていた。 「ジルザ、何を考えているの?」 突然後ろから、可愛らしい声が聞こえて来る。 あろうことか、第二王女メリナ様の声だ。 なんと言うことか、とんでもない失態じゃないか! 俺は、仕方なく、メリナ様の前に跪き、誰かが罰を言い渡すのを待った。 向こうから北門を守る兄、ラザの笑う声が聞こえて来る。 すでに交代していたらしい。 こんな失態を見られるなんて、無性に腹が立つ。 俺は情けない格好で、ただその場にへたばり、誰かが現れるのを待つ。 王妃さまだったら、なんとか許してくれそうな気がした。 まさか、旅を中止にするなんて言わないよな? 兄貴なら、慌てやしいんだろうけど。 俺の気持ちはあくまで後ろ向きだ。 そんな俺の背中は、やがて王の声を聞いた。
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